こんばんは、キッチンと申します。
本日は、卒研の心構えシリーズの第4回目になります。今回が最終回となりますので、今まで読んできてくださった方は、最後までお見逃し無く!
前回までを見ていないという方は、こちらからどうぞ!
nitizyou-rika.hatenablog.com
1. 卒業研究に対する心構え 続き
1-1. 研究は山登りに似ている
今まで研究を教習やジグソーパズルに例えてきましたが、今回は山登りに例えます。
登山家が目の前に山があったら山に登るように、研究者は目の前に未解決の問題や課題があったら、その問題解決に取り組みます。
しかし、いきなりエベレストのような高い山には登れないように、自分の登ることが出来る山を見分けることが大切になります。
はじめは富士山、あるいは比叡山や高尾山のような無理なく登ることが出来る山を探すことが懸命でしょう。
そして、低い山を制覇できるようになったら、より高い山、難しい問題に取り組むことが出来るようになります。
ですから、はじめは比較的すぐに答えが出る問題や、業界ではマイナーな問題から取り組むことが良いと思います。
1-2. 研究をやり抜くためには一点集中
研究をやり抜くためには、自分の持てる力を多方面に向けてはいけません。
頭の中に余計な事があるだけで、思考は阻害される上、予定等が多ければ自ずと研究に費やせる時間も減ってしまいます。
日常の取るに足らないことを気にしていては、良い成果は望めません。
卒業研究が始まると人付き合いが悪くなると思いますが、誘いを1回断ったぐらいで崩れる関係なら長続きはしないでしょうから、気にする必要も無いです。
大学で研究を出来る期間は、今しかないと考えて、卒業研究が終わるまでの1年間(大学院等があれば数年間)は研究に尽力しましょう。
1-3. 研究者はデリケートな植物である
今度は研究者をデリケートな植物に例えます。
研究者という植物は、特別な土壌でしか育つことが出来ません。
特別な土壌とは、学問や研究を大切にする社会や文化であり、いたずらに成果や利益を求める環境ではありません。
現代は成果主義の一面が大きくなっていますから、研究者が育ちにくい環境になっていると言っても良いでしょう。
一昔前の理研は自由な風潮があり、スポーツを楽しみながら研究に勤しむ研究者も多かったそうです。
今でもそのような環境を作れたなら、創造的な成果も期待できるかもしれませんね。
1-4. 競争に勝つことだけ考えるな
競争に勝つことだけ考えている人はそうでない人と比べて、負けたときに必要以上に落ち込みます。
落ち込みが大きければ、立ち直るのにも時間がかかります。立ち直りに時間を費やしてしまうと本命の研究はなかなか進まなくなるでしょう。
他人と自分をくらべがちな人も要注意です。他人と比べたときの劣等感はモチベーションの低下と自己肯定感の低下を引き起こします。加えて、このときの劣等感は他人と比較した際の優越感でしか満たすことが出来ないため、さらなる比較を引き起こします。
要するに、勝ちにこだわらず自分のできることをやり通すことが大切です。そうして自分の出来ることをしてきた人には、成果と人が自然と向こうから近づいてきます。
キュリー夫人はトリウムの放射能を発見しますが、同時期に同じ発見をしたシュミットに論文で先を越されてしまいます。
しかし、彼女は屈することなく研究を続け、後にウランの高い放射能や新元素のラジウムを発見しました。
キュリー夫人のように一度勝負に負けても、大きく気にせず根気強く研究を行いたいものです。
1-5. 地位や名声が欲しいなら研究はやめておけ
地位や名声が欲しい人にとって、研究は大きな遠回りになります。
1つの論文を出すまでに、実験して、データの解析を行い、考察し、論文を書く。
数年かかって一本の論文が出来上がることもザラにあります。ですから、他人の評価が欲しい人にとっては、研究は時間がかかりすぎるのです。
一方で、純粋に研究そのものが好きである人は、研究者に向いています。
研究に打ち込める人には、研究をすすめるうちに成果や名声が自然とやってくることでしょう。
1-6. 嘘の無い行いをすること
最後に研究者にとって最も重要なことをお話します。
研究者のあるべき姿は、身丈にあった仕事を行い、嘘を付かず、自分の発言に責任が持てる姿です。
嘘を付かないことは、やがて自分のためになり、研究室全体のためにもなります。
論文で不正が発覚すると、その業界ではもう二度と信用を得られなくなることもあり、研究室の評判も落とすことになれば、あなただけでなく他の人にも迷惑がかかるのです。
ちょっとしたデータの誤魔化しから、不正は始まります。「これくらい良いや」を無くし、正直に研究を行うことこそが最も大切です。
実験結果と同様に、研究者としての自分自身も変わることのない事実であることが望ましいです。
【最後に】
本日で卒研シリーズは一度終了になります。
早くも3月の頭、あと1ヶ月後には私も卒業研究が始まります。高専での後悔を繰り返さないために書き始めたシリーズですが、皆さんの役にも立てていたら幸いです。
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