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こんばんは、キッチンと申します。
前回に引き続き、「大学で研究を始める前に知っておきたいこと」と題して、自分を含めたこれからB4になる学生のために記事を書きました。
為になる内容を取り揃えていますので是非、最後までご覧ください。
前回の記事も良かったらご覧ください。
nitizyou-rika.hatenablog.com
1. 卒業研究に対する心構え 続き
1-1. 時間は捨てるつもりで取り組め
卒業研究を始めると時間があっという間に過ぎていきます。
実験系、特に合成系では、「反応に24時間」といった長時間を費やすことも多くなり、「時間を無駄にしているのではないか?」と思うことも多くなります。
加えて、卒業研究とは上手くいかないものですから、原因究明が進まずいたずらに時間が過ぎていくことも多いでしょう。
しかし、そこで時間が過ぎていくことに意識を囚われていると気にすることが一つ余計に増えてしまいます。
素晴らしい成果には、時間の消費は付き物です。
コアタイムに加えて、+αで研究を進めていれば12時間ほど研究室にいることも多くなるでしょう。
学部なら1年間、修士までなら3年間、博士ともなれば6年間は少なくとも時間の自由はなくなると考えておくのが吉でしょう。
時間の過ぎ方は、やることの楽しさで相対的に変わってきます。
時間の消費が避けられないものなら、いかにその時間を楽しく、充実させた物にできるかが研究生活における幸せに繋がってくるのではないでしょうか。
1-2. 理論なんて気にするな
はじめに忠告しておくと、「理論を全く考えるな」という意味ではありません。
この言葉で重要なのは「理論を気にしていて、いつまで経っても実験しないことを避けろ」という意味です。
例えるならば、「英文法を勉強して、英会話に通って、万全な状態にしてから海外に行こう」という人と、「とりあえず海外に言ってみて、英語を身に着けよう」という人がいるのと同じです。
どちらが早く英語を話せるようになるかと言うと、後者ですよね。
実験にも同じことが言えて、いつまでも理論を気にしていて「このくらいはしっかり勉強しないと実験できない」などと考えている人は時間が経っても成果を上げられない傾向があるのです。
著者曰く、「理論なんて気にするな、面白い結果が出ればそれで良い」とのこと。
私も同様に考えており、自分で説明できなければ先生や先輩に頼れば良いと思っています。
一方、実験の方は誰も代わりにやってくれないので、自分でやるしかないですからね。
1-3. 恋人を見るように、研究対象を見よ
好きな人のことは、授業中、休み時間、放課後、いつでも見ていますよね。
ときどき目が合うと、恥ずかしくなってしまう。
はい、研究対象も同じ姿勢で観察するようにできれば、100点です。
「髪切ったな」、「今日のネイルはいつもと違うな」など、細かいところまで観察しましょう。
逆に考えると、研究対象を好きになれたらもう勝ちかもしれませんね。
1-4. 博士課程は路上教習
サムネイルにも書いた言葉で、スポーツと同様に著者が「研究=教習」と例えていたものです。
著者は、博士課程とは路上教習のようなものであると言っていました。
その心は、一般車と同じ道を走らなくはならないが、指導教官は付いている状況だからとのこと。
また、この考え方を広げると、学部及び修士は仮免許前の状態と考えられます。
教習所の中で、コースを走り、路上教習へ向けた練習をするのが、学部および修士です。
自動車の教習を経験したことがある方は、卒業研究に向かうときも当時のことを考え、自分がどのような姿勢で取り組んでいたかを考えると良いと思います。
私の場合は、運転に対して慎重になり過ぎる場面が多かったように思います。
「スピードが出せるときには、しっかりスピードを出す」これが研究へ向けた姿勢になるでしょうか。
1-5. 計画は逆合成せよ
有機化学では、目的の化合物を合成したいときに逆合成というものを行います。
逆合成とは、目的の化合物から逆算を行い、出発物質や合成経路を考えることです。
要するに得たい結果から、逆算して計画を練れということになります。
目標をしっかりと定め、「2ヶ月後にはこのくらいまで到達していないとマズいな」といったことを考えることが大切です。
加えて、人間の行動力は計画が具体的であればあるほど高まります。
年単位→月単位→週単位→日単位といった形で、できるだけ細分化して計画することで良い結果に漕ぎ着けることができると思います。
1-6. 材料は自分で合成すると良い
これも合成系の話になりますが、研究に必要な材料となる化合物は自分で合成ことが良いと著者は語っています。
材料の合成を行うことで、合成操作の練習ができる上、行うことができる操作のレパートリーが増えます。
生姜焼きしか作れない人と、それ以外にも親子丼、カレー、麻婆豆腐というように料理のレパートリーが多い人を比べれば、自ずと後者の方が魅力的に見えてくるでしょう。
研究にも同様のことが言えます。
加えて、料理のレパートリーが多い人は、創作料理も上手く作るというもの。
創作料理とは、まさに研究そのものであり、基礎的な技術が高いからこそ成り立つものです。
「既存のものだから」や「買ったほうが早い」と考えるのではなく、時間に余裕があるならば材料の合成を自分の手で行うのも研究が上達するコツになるでしょう。
【最後に】
本日の記事はいかがでしょうか?
私としては、改めて言われるとそうだなと納得する内容が多かったように思います。
皆様には卒業研究に取り組む際に、少しずつ読み返していただけたら幸いです。
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