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こんばんは、キッチンと申します。
本日は「大学で研究を始める前に知っておきたいこと」と題して、自分を含めたこれからB4になる学生のために記事を書きました。
私は高専時代に「頑張ればなんとかなるだろう」と思って、無計画に突き進んでしまい、後悔した経験があります。
皆さんもそのようにならないためにも是非、最後までご覧ください!
1. 参考にした文献 と 本記事の楽しみ方
今回、この記事を書くに当たり参考にしたのは以下の文献です。
東北大学の図書館がおすすめしていた本であり、対話形式にて悩めるドクターの学生にアドバイスをしていく形で書かれています。
注目したい点は、科学史(化学史)に多く触れており、過去の偉人たちがどのようにしてそのような大発見に至ったのかなどを知ることが出来る点は大変興味深いです。
著者は生物系を専門としており、化学や生物の知識がある方はより楽しめると思います。
本記事は、上記の著書において、私の印象に残った内容をメインに書いて行きますので、卒業研究に対する心構えを身に着けて帰っていただけたら幸いです。
2. 卒業研究への心構え
2-1. 研究とはスポーツのようであれ
思わず納得してしまった例えとして「研究=スポーツ」というものがありました。
一度でもスポーツを好きになったことがある人ならわかると思いますが、スポーツって無性にやりたくなることがありますよね。
また、好きでたまらないとついついそのことを考えてしまったり、暇さえあればグラウンドやコートに行って、練習したり、友達とプレイする。
加えて、やっていて楽しいスポーツなら勝っても、負けても楽しいですよね。
これは実験における成功と失敗に例えることができます。
著者は研究とは、このように「ついついやりたくなってしまう状態」が望ましいと言ってました。
上記のような姿勢で研究に取り組めるようになれば、それはもう「天職」なのかもしれません。
2-2. 悩む暇があったら、手を動かせ
これは実験系の研究、特に化学系のような理論が後から付いてくることが多い分野において意味のある言葉です。
実験が上手くいかないとついつい悩みがちになり、手を動かす機会が減っていきます。
しかし、化学系には「やってみたら上手くいった」という研究結果も多くあります。
「ソフトレーザー脱離イオン化法」で有名な田中耕一さんは、自身の著書の中で「なぜこの方法で上手くいくのかは私もわからない」とおっしゃっています。
また、田中耕一さんはこの分析方法を発見した際に、アセトンとグリセリンを間違えた上に、本来ならば溶媒を乾かすところを乾ききる前に次の操作に移るという2重ミスをしながらも発見しました。本人曰く、「試料がもったいなかったから」ともおっしゃっています。
このようにとりあえずやってみたら面白い結果が得られたということも少なく有りません。
何も考えずに実験をしろとまでは言いませんが、落ち込んでいる暇があったらもう一度実験台に向かってみるのが成功の秘訣かもしれませんね。
2-3. 実験が上手くいかないときの3パターン
手始めに結論から述べると
- 実験のやり方に問題あり
- 仮設に問題あり
- テーマに問題あり
この3パターンが実験が上手くいかないときの主な要因となります。著者曰く、ほぼ全ての場合が上記の3パターンに落ち着くそうです。
実験のやり方については、初心者のうち、特にB4で初めて研究をする人にとって、よくあることです。
先輩や先生に積極的に操作を見てもらい、問題点が無いかを確認してもらいましょう。また、実験のテクニックなども先輩たちを真似て、その技術を盗むように心がけるのも良いと思います。
仮設に問題とは、上手くいかないときに考えたことに問題があるということです。これについても自分で考えをまとめ、実験し、それでも上手くいかないときは相談するのが吉でしょう。
テーマに問題ありの場合、B4や修士の学生は教授に相談することしかできません。思い切って「私はこう思います!」と直談判するのが良いと思います。
と言っても、テーマに問題があるかのは正直判断が難しいです。自分のテーマに不安があるときは、まずは話しやすい先輩たちに意見を聞いてみるのが良いのではないかと思います。
2-4. 事実を事実のまま受け入れる
実験が上手くいかないときに陥りがちなことに「失敗したからもう一度」という考えがあります。
このとき大切なのは「結果は果たして失敗なのか?」を考えることです。
そして何より大切なのは「事実が最も信頼できること」であるということです。
テーマにせよ、仮設にせよ、それらはあくまでも考えたことに過ぎません。
それ以上に実験結果は紛れもない事実であり、目の前で起きている最も信頼できる要素です。
そのため、実験結果を記した実験ノートは研究者の財産であり、ときには最も重要な証拠となるのです。
ネガティブな結果であったとしても、その結果を事実のまま受け入れることを心掛けましょう。
2-5. 研究が上手くいくかは運次第と考える
学生実験とは異なり、卒業研究ははじめから上手くいくものではありません。
人間は想定できない事態に遭遇すると焦るものですが、その逆は冷静に対処することが出来ます。
はじめから「上手くいかなくて当たり前」という心構えがある人と、そうでない人ではメンタルの持ち方に雲泥の差があるでしょう。
ノーベル物理学賞を受賞した朝永振一郎さんも研究が進まずネガティブになることが多かったそうですが、仁科芳雄さんに「気を長くして健康に気をつけて、運が回ってくるのを待つしかない」という言葉をかけられて涙が出る思いになったと語っています。
皆さんも気持ちが落ち込みそうになったときには、「運が悪かっただけだ」と吹っ切れるように考えられれば一人前も近いかもしれませんね。
【最後に】
実は今回書いた内容の4倍のネタが溜まっております笑
あと3回くらいにわけて書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!
それではまた次回お会いしましょう。
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